ズンバ(Zumba)は、ダンス初心者のためのエクササイズです。 ズンバは「だれもが楽しめるダンス・フィットネス」というコンセプトで作られました。 「ダンスは、ダンサーだけのものでなく、すべての人のためのものだ!」という創始者の考え方が、プログラムの根底にあります。 このため、ダンスが苦手な人や高齢者(シニア層)でも、楽しめるように作られています。
難しくないダンス
実際、ズンバのレッスンの会場をのぞいてみると、参加者の大半は、とくに上手に踊っているわけではありません。また、年齢層もけっこう高いです。初心者であっても、何回か同じインストラクターのレッスンに参加すれば、みんなと同じくらい踊れることが多いです。
また、ズンバは、振り付けを覚えていなかったり、他の人と違った動きをしたりしても、あまり目立ちません。それは、ズンバの参加者の多くが、「ズンバは振り付けの通りにきちっと踊らなくてもいい」という感覚をもっているからです。
その一方、ズンバの参加者の中には、プロのダンサーのように上手な人もいます。そうした上級者が、初心者と一緒になって、垣根なくダンスを楽しむというのも、ズンバの魅力の一つです。
リトモスやメガダンス、エアロビクスより簡単
リトモスやメガダンス、エアロビクスなど、類似のダンス系フィットネスはいろいろありますが、それらと比べてみても、ズンバは難易度が低いです。いわば初級レベルです。
具体的には、ダンスの振り付け(コリオグラフィー)がとても単純で、複雑の動きが少ないです。シンプルな動作を繰り返すというのが、ズンバの特徴です。ズンバが幅広い層に支持される理由の一つになっています。
初心者にとってありがたい特徴
ズンバには、いくつかの特徴があります。それらの多くは、初心者にとってプラスの要素になっています。
パーティのような雰囲気
ズンバのレッスンには、パーティーのような雰囲気があります。それは、ズンバの創設者が、「パーティー感覚」のエクササイズを目指してプログラムを作ったからです。
ズンバがパーティーのように感じられる理由には、以下のようなものが考えられます。
曲をエクササイズ用に加工せず、そのまま流す
エアロビクスでは、加工(ミックス)された曲を使用します。しかし、ズンバは加工されていない生の曲をそのまま使います。これによって、音楽をより楽しむことができます。
同じ曲を繰り返さない
ズンバでは、同じ曲を何回も繰り返すのでなく、1曲が終わったら次の曲に移ります。同じ振り付けを繰り返して練習するのでなく、インストラクターを見ながら踊るという感覚です。
ラテンの曲が多い
ズンバでは、ラテンの曲が多いです。ラテンの曲は、メロディやリズムが陽気なものが多いです。このため、レッスンの雰囲気も明るくなりやすいです。
他の参加者との手つなぎや絡みがNGではない
ズンバでは、他と絡んだり、場合によって手をつないだりするような場面もあります。インストラクターによって、参加者みんなで輪になって手をつないで踊ることもあります。
また、一部の参加者が他の参加者にモーションをかけたり、列をつくって踊ったりしても、インストラクターは止めません。むしろそれを奨励するインストラクターも多いです。
こうした「絡み」が、ズンバをパーティー的な雰囲気にさせる理由の一つです。(ただ、そういうのが苦手な人もいます。その場合、絡みが少ないインストラクターのレッスンを選ぶといいでしょう)
口頭(マイク)での指示がない
ズンバはレッスン中に先生が口頭で指導をしません。エアロビクスやリトモス、メガダンスでは、インストラクターはマイクを使って、「左足をあげて」とか「ここは腰を滑らかに動かして」とか、指導します。しかし、ズンバではこうしたマイクによる指示はありません。身振りや手ぶりを使ってリードするだけです。そのぶん、参加者は音楽をよく聞き、感じることができます。
音楽中心
ズンバは音楽を重視した「音楽中心」「音楽主体」のプログラムです。音楽の良さを引き出し、広めることを目的としてプログラムが組まれています。をそれが独特の「パーティー感覚」の醸成につながっています。
「直線」でなく「曲線」的な動きが多い
ズンバは、エアロビクスと違い、手足をまっすぐ伸ばすような直線的な動きは少ないです。曲線的で滑らかな動きが多いです。これは、クラブやディスコなどでの踊りにより近いことを意味します。
基本ステップの組み合わせ
ズンバには、いくつかの「基本ステップ」が決められいます。その基本ステップを組み合わせたり、応用させたりして、全体の振り付けが作られていることが多いです。
何度かレッスンに出ているうちに、自然とこの基本ステップが身についていきます。基本ステップは単純なので、詳しい指導を受けなくても、おぼえることができます。これも、ズンバが初心者に向いている理由です。
また、ズンバで初歩的なダンスの動きを身に着けた後、リトモスなどのより難易度の高いプログラムを始める人も多いです。